背中の肩甲骨の内側が痛いとき、菱形筋が固くなっているのかもしれません。
菱形筋は肩甲骨の内側縁から背骨についている筋肉で、肩甲骨を内側に引っ張る働きがあります。
菱形筋の位置
菱形筋は、小菱形筋と大菱形筋があります。
それぞれの起始と停止は、
●小菱形筋
起始:第7頸椎棘突起、第1胸椎棘突起
停止:肩甲骨内側縁
●大菱形筋
起始:第2~5胸椎棘突起
停止:肩甲骨内側縁
となっており、背中の肩甲骨の内側で、僧帽筋の下にある筋肉です。
菱形筋のはたらき
これは前かがみで下にあるものを持ち上げたりするときに使います。
あるいは、腕を使う動作などで肩甲骨の安定性を保つために、ほかの筋肉と協働して拮抗させるように働いたりしています。
「アナトミートレイン 第3版」(トーマス・W・マイヤース著、医学書院、2019)によると、菱形筋は「スパイラル・ライン」や「ディープ・バックアーム・ライン」など複数の筋膜ラインに属しているため、肩甲骨の動きや安定性にとって非常に重要な筋肉であることが分かります。
ボールを使って菱形筋ほぐし
今回は、ピーナッツ型のボールを使用します。
もし手元にない場合は、ボール二つをラップなどにくるんでつないだものでも代用できます。
ボールの上に菱形筋の場所を当てて、仰向けに乗ります。
そして、コリのある場所(痛いけれども効いている感じがするところ)が見つかったら、そのまましばらく待ってみましょう。
痛みの強さは、10段階のうち6~7くらいがいいとされています。
痛いけれども、リラックスできる程度の強さです。
強すぎると、逆に筋肉が収縮して防御しようとしてしまいますので、リラックスできる程度の痛みと覚えておいてください。
次に、腕を上下に動かします。
圧迫を加えたまま、菱形筋を動かしていくわけですね。
ですから、腕だけを動かすのではなく、肩甲骨が動いているか確認してください。
今度は、左右に動かします。
こちらも同じく、肩甲骨が動いているかどうか確認しながらやってみてください。
最後にストレッチを行います。
できるだけ、肩甲骨が離れるように両手を前に出します。
背中にストレッチ感が得られたら、そのまま15数えてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
菱形筋は肩甲骨の動きにとって非常に重要な筋肉で、意外とこりやすいところです。
ただ、自分の手が届かないところにありますので、ボールなどの道具を使うとセルフケアができます。
背中の痛み、肩こりが長引くなどのお悩みのある方にはぜひおすすめしたいセルフケアです。
痛みのない体で元気にお過ごしください!
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