膝の痛みの原因はさまざまなものがありますが、その一つに、内側広筋という筋肉のコリがあります。
内側広筋は、太ももの前についている大腿四頭筋の一つで、膝の軽度屈曲時にはたらくといわれています。
人間の歩行をよく見てみると、かかとが地面に着いたら、つま先がペタンと下がります。そして一瞬、膝が軽く曲がってすぐ伸びるという動きがあります。
これをダブルニーアクションといって、衝撃を吸収、そして反対側の足の振り出しのアシストという非常に大切なはたらきがあります。
このときにバネのように働くのが内側広筋です。
内側広筋が弱くなってしまうと、バネが効かなくなります。
着地時に膝を曲げないような歩行になり、前方への推進力が低下します。
すると、ふくらはぎや股関節などの筋肉のはたらきによって推進力を稼ぐようになり、その筋肉に問題が起こりやすくなります。
また衝撃吸収が少なくなり、膝やそのほかの関節への負担も増します。
そしてここにトリガーポイントというコリができると、その関連痛として膝に痛みを出すことがあります。
これを見ると、膝痛、特に膝の内側の原因となりうることが分かると思います。
もちろん、膝の痛みの原因にはほかにも、関節包、半月板、靱帯、膝蓋下脂肪体などさまざまなものが考えられます。
ただ、自分で内側広筋をほぐすだけならリスクも高くありませんので、やってみる価値はあると思います。
なかなか改善しない膝の痛みでお悩みの方にぜひおすすめしたいセルフケアです。
<参考文献>
Travell & Simons’ Myofascial Pain and Dysfunction (WOLTERS KLUWER, 2018)
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