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歩行と足のはたらき

歩行時の下肢の機能と筋肉のはたらきを理学療法士的に大雑把に解説してみました。

歩行を横から見た場合、だいたい3つの場面に分けられるかと思います。

①足を着いて安定化させ
②前方へ推進
③足を振り出す

①②では大殿筋、ハムストリングスがかかとを引っ掛けるように股関節伸展へはたらき、大腿前面の筋肉が膝関節の衝撃吸収、前後脛骨筋がヒール~アンクルロッカーとして下腿の動きを制御しています。

③では、下腿三頭筋を中心に足部の底屈や足趾の屈曲(フォアフットロッカー)による前方推進力を生みだします。

④後方に振り出された足は、股関節前面の屈筋をばねのように引き伸ばし、その筋肉が自然と収縮するように振り出しの力を生みます。

以上の①~④が無意識に行われているのが歩行です。

このうち、どれかの筋肉が疲れてしまうと、ほかの筋肉でかばうような動きになっていきます。

例えば、ふくらはぎが固くなってしまっている場合、前方推進力が低下しますので、その分を大殿筋で補おうとするかもしれません。
あるいは、足をより前に出そうとして腸腰筋が過剰にはたらくこともあります。
かかとが十分に上がらないと母指球から蹴りだすため、靴底の指の付け根ばかりが減ったり、靴下が破れやすくなるということもあります。

このほかにも体幹から上肢、骨盤の動きも影響しますので、それぞれを丁寧に評価する必要があります。

もし歩行時に足が痛いことがある場合、どの場面でどのあたりが痛いのか見てみると治療のヒントになるかもしれません。

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